心理カウンセラーになるには心理学の資格が必要？

心理カウンセラーになる際に、資格が必須というわけではありません。ただし、専門知識を有していることを証明したい場合、資格が役立ちます。そのため、心理カウンセラーの多くは、心理学に関する何かしらの資格を取得しています。

独学で心理学の資格取得は可能？

心理学の資格は数多くあります。その中には、独学で取得できるものと取得できないものがあります。

【独学で取得できない資格】

・臨床心理士

臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会による認定資格です。主な受験資格は以下のとおりです。

• 協会指定の大学院を修了し、所定の条件を満たしている者
• 臨床心理士を養成する専門職大学院の修了者
• 医師免許を取得しており、免許取得後、2年以上の心理臨床経験を有する者

・公認心理師

公認心理師は、国内初となる心理系の国家資格です。受験資格を取得する必要があり、基本のルートには以下が挙げられます。

• 大学および大学院で指定科目を履修し卒業した者
• 大学で指定科目を履修し卒業、指定施設において2年以上の実務経験を有する者
• 上記ルートと同等以上の知識・技能を有すると認められた者

・認定心理士

認定心理士は、公益社団法人日本心理学会が認定する資格です。試験はなく、日本心理学会に申請し、認定されれば資格を取得できます。

主に以下が申請条件となります。

• 4年制大学を卒業し学士の学位を取得、または大学院修士課程を修了し修士の学位を取得した者
• 指定された心理学系の所定の単位を修得している者

・産業カウンセラー

産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格です。以下のような条件を満たすことで試験を受けられます。

• 満20歳以上で、協会が行う産業カウンセリングの講座を修了している者
• 大学院で所定の専攻（課程）を修了し、指定された単位を取得している者

【独学で取得可能な資格】

・メンタルケアカウンセラー

メンタルケアカウンセラーは、メンタルケア学術学会、一般財団法人生涯学習開発財団、一般財団法人ヘルスケア産業推進財団の3団体が認定する民間資格です。取得することで、心理学の基礎知識を有している、円滑なコミュニケーションのスキルがあることを証明できます。

・チャイルドカウンセラー

チャイルドカウンセラーは民間資格であり、一般社団法人日本能力開発推進協会（JADP）が認定しています。子供に対するカウンセリングの知識・スキルを有していることを証明できます。

・キャリアカウンセラー

チャイルドカウンセラーと同じく、一般社団法人日本能力開発推進協会（JADP）による認定資格です。個人の職業能力や社会的・経済的な地位向上のサポートなど、キャリア支援に必要なスキルを備えていることを証明できます。

独学のメリットとは？

独学で学習するメリットは、自分のペースで勉強ができることです。カウンセリングスクールに通う場合は受講時間が定められています。社会人や主婦の場合、時間の確保が容易ではありません。独学であれば、空いている時間に勉強ができます。また、独学の場合はカウンセリングスクールに通うより料金を抑えることが可能です。講座の場合は数万円の受講料がかかるのに対し、独学の場合はテキスト代の数千円程度で済みます。

独学のデメリットとは？

独学で資格を取得する場合、やはり1人ではどうしてもわからないことが発生します。ともに勉強をする仲間やサポートしてくれる教師がいないため、わからないことがあっても質問できません。また、やる気も学習時間も自分の裁量で左右されます。モチベーションの管理ができず、途中で勉強をやめてしまうというケースが懸念されます。

さらに、情報収集についても1人でやらなければなりません。試験方法や法改正などがあった場合、情報収集を怠ると自分だけ知らずにいたという事態になります。

資格取得のための独学の方法

最後に独学で取得するための方法について、見ていきましょう。

・本や参考書で勉強する

書店やネットショップなどで心理カウンセラーに関する専門書や参考書を購入できます。書籍を活用し、コツコツと勉強していきましょう。

・資格試験の過去問を解く

資格によっては、試験の過去問が公開されているケースがあります。目指す資格試験の過去問を解くことで、出題傾向を把握できます。